3月○日 カラオケボックスにて

憧れの先輩の卒業式。
結局、何も想いを伝えられずになんとなく後味が悪いんだよね。
友達と憂さ晴らしにカラオケでも行っちゃおうかな?
私は、仲の良い女友達と、いつものカラオケボックスのいつもの場所へ・・・。
でも・・・、やっぱり今日は卒業式。たくさんの人で賑わってるじゃない!
あ〜、やっぱりこんな時は大人しく家に帰っていたほうが良かったかな?
だけど、せっかく来たんだから楽しまないとね♪
少し待ってから、空いた部屋で憧れていた先輩の事なんてスッカリきれいに忘れて、歌に熱中していた私達。

「ちょっとお手洗いへ・・・」そう言って、私が外に出ると一人の男性と目があった。
「ちょっと良い?」声をかけてきた、学ランの彼。
(ちょっと・・・、ナンパ?!)
な〜んて思っていた時、彼が学ランのポケットから1枚の紙。
「俺、バンドやってるんだけど今度見に来ない?チケット安くしておくからさ!」
(はぁ?押し売り?)
ナンパ?なんて思っていた自分が、なんとなく恥ずかしくなってしまった。
「行けるか解らないし、しかも・・いくら?え!初対面に千円も出させるの?!」
なんて気分が悪くなった私は言いたい放題。
彼は笑顔で「良いよ、良いよ。2枚で千円!どう?」
まぁ、顔は好みだし一人500円なら・・・。その顔に免じて買った!!
と言う事で、彼の笑顔に負けて買ってしまった私。
「ありがとう!俺卒業して春から社会人なんだ!だから、最後のライブ。
待ってるからね。あ、ゴメン名前聞いてなかった」
「普通、人に名前尋ねる時は、自分から名乗るものじゃないの〜?」
年上だって解ってるけど、買った強みもあって態度が大きい私に彼は
「ゴメン(笑)俺は、圭介。君は?」
「あゆみです」
「じゃぁ、あゆみちゃん!○日待ってるから!あ、コレ俺のポケベル番号。
ついたら鳴らして!」
結局ナンパのような押し売りのような・・・。
部屋に戻って友達に事を話すと
「せっかく買ったんだから行こうよ!あたしもライブ行ってみたい♪」
「そうだね。せっかく買ったのに勿体無いよね。」

私達は、また歌の続きへ・・・・。
今日は不思議な形で出会った一人の男性。
ライブ・・・、楽しみだな☆
3月△日 信じたくない・・・・。

待っていたライブの日!友達と、なんとなくオシャレして向かったライブ会場。
圭介・・・にベルで『ついたよん♪』の連絡。
圭介は、すぐに外に来てくれた。
「来てくれてありがとう!俺の番、もうスグなんだ。早く入って!俺準備あるからマタ後でね!」
圭介スマイル健在、本当に時間がなかったのか、そう言って急いで控え室へ走っていった。
友達が「うん、良い感じな人だよね★」
やっぱり、私の目は良いものを見る目がついてるんだわん♪なんて嬉しくなってる自分がいる。
彼らのライブが始まった。彼はベース。そうね、あんまり目立つパートじゃないけれども・・・。でも、私には、何よりも素敵に見えて歌声が遠くに感じた。
低音の音だけが耳に入ってくるの。
1度も目を離さなかった・・・。と言うか離したくなかった。。。
本当に一目ボレってあるのね。。。
この気持ちが一目ボレって言うものなのね。。。
よく知らない彼だけど、ライブで『彼』を見る事が出来た。
自分が、この空間にいる事が凄く幸せに感じられる。こんな事って凄い・・・。

ライブが終わって、彼の元へ行った私達。
「良かった〜!ビックリ!良い買い物しちゃった(笑)」
彼は、少しテレてた。
そんな時、友達が「あたしもポケベル番号教えてよ!」と言う言葉。
「?・・うん。」彼は、友達に番号を教えた。
少しだけ・・・、ジェラシー。自分が彼と仲良くなったのに・・。って。。。

2日後、ライブに行った友達からのベル。
「彼氏が出来ましたあゆみには一番に言いたくって☆」
一瞬目を疑ったが、次の瞬間相手が解った。そう、ライブの彼。
自分でもどうして良いのか解らなかった。本当に仲の良い友達。そして、本当に短い間だったけど自分の心を動かした彼。
とにかく友達に連絡をした『もしかしたら、違うかもしれないから・・・』そう信じたいから。
でも、返ってきた答えが「ライブの彼なの〜!」
何も言えなかった・・・・。
詳しく話しを聞くと、どうも友達が猛烈アタックをこの2日間でしたらしい。
私は、頭の中が真っ白になった。だってそうでしょ?私が・・・。
でも、友達には言えなかった。友達がとっても楽しそうに話しをするから・・・。
私には「おめでとう」が精一杯だったの。
本当は、泣きたかった。
彼女に泣きながら自分の気持ちを伝えたかった。
だけど、そんな事出来ない。。大切な人を二人も失うような気がしたから・・・・。
泣く事が出来たのは、寝る直前だった・・・・。

3月×日 終わりのない終わりかた・・・。

自分がおかしくなってしまいそう。
そんな彼からベルが・・・。
なんでもない普通の内容。決して友達の事は触れていない彼・・・。
言ってくれれば良いんだけどな。
そんな時、自分の中の何かが動いた。何かは解らないけど、良いことじゃないのは自分でも解っていた。だけど、止まらなかった。
『暇な時ある?もし良かったら、会えない?』
送るつもりじゃなかった。ううん、本当は送りたくて仕方なかったのかもしれない。
彼は『明日会おうか!』
(友達にバレてもしらないよ・・・。)
そう思いながらも『じゃぁ、明日』そう言って、OKした自分もいるんだよね。

自信があった。
(彼女よりも私のほうが好かれていた。私が先に言えば絶対付き合っていた。)
こんな事思ってしまっていた。
友達に負けたくなかった、自分が一番でいたかった・・・。
言い訳したかった。私の事が好きだけど、あんまりにもアタックしてくるから断れなかった。だから、私に会いたかったのだ。
そう強気で思っていないと、自分が壊れてしまいそうだった。
こんな一瞬の出来事が自分の心の運命まで変えるなんて・・・。

会ったよ。普通にデートしたよ。カップルみたいにデートしてきた。
マクドナルド言って二人でご飯食べて、街をブラブラして、プリクラなんか撮った。
(彼女がいるのに、、、出来るんだ。こんなこと)
そう思いながら・・・、でもそれを拒む事は絶対しなかった。したくなかった。
帰り際、彼がじっと私を待っている。私が何かを言うのを待っている。。
(気づいてる・・・、私が何を想っているのか)
だから、絶対言いたくなかった。
「それじゃ!またねっ」これが私の精一杯の愛情表現・・・。
本当は自分の気持ちをぶちまけてしまえば良かった。
女ってプライドの塊。女のプライドって、時に自分を邪魔する。
彼自身、何かを言いたそうだった。だけど、、、何も言わずにお互いサヨナラ。
後で彼からポケベルが・・・。
『あゆみちゃんの友達と付き合う事になってしまった』

なってしまった。その言葉を聞いて私の中の何かが崩れた。
きっと・・・、私が付き合っていたとしても同じ事を友達に言っていたに違いない。
結局友達は、その彼と1ヶ月ももたずに別れる事になった。
原因も何も聞かなかった。

この恋・・・、今までで一番中途半端な終わり方。
終わったのか終わっていないのか・・・、解らないまま時間がけが過ぎていった。
そんな気がした。

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