8月○日
やっぱり夏は高校野球!もちろん、自分の高校は応援に行くっきゃないでしょ♪
部活の合間をぬって、試合があるたびに応援に行ってた。
残念ながら、私の高校は2回戦敗退。
野球部の友達もたくさんいるから、応援にも熱がはいる。

私達のコミュニケーションツールである「メール」
そこから友達になった別の高校のサトシ君。
なかなかのイケメン君で、背も高く優しそうだし、一緒にいて楽しいし。
そんな彼とたくさん話をするようになり、時々街でデートしたり。
告白されてないけど「好きだ」とか言ってくれる彼。
言葉に出さないけど、付き合ってる事になっていた二人・・・。
部活が忙しく基本的に合う事が出来ない。
だけど毎日メールくれて、嬉しい日々が続くと思っていたんだけど・・・。

夏休み最終日、彼からメールが・・・。
『今から会いにあゆみの地元まで行くね!』
ビックリした。だって、家と家までの距離は遠いし、部活で疲れてるのに・・。
『え?街とかで良いよ!』って言う言葉も聞かずに、次に入ってきた答えが
『あゆみの家の近くのバス停についたよ』
急いでバス停に向かったの。
凄く嬉しかった、会いに来てくれるなんて嬉しかった。
(どうしたんだろう!でも凄く嬉しい!!)
そう言う気持ちでイッパイだった。
行った時には、いつもと変わらない彼。
「どうしたの〜?」嬉しい気持ちを押し殺して、冷静に話しかける私。
「一緒に勉強しようと思って!」
そう言いながらも、周りをキョロキョロ。
そして彼は「早く、あゆみの家行こうよ!!」って言ってスタスタ歩き出す。
初めての家の訪問。嬉しいような、ソワソワしているサトシを不思議に思いながらも
家に向かった。

勉強?!勉強道具なんて何一つ持ってきていないじゃん!!
ずーっとしゃべってただけだった。
初めて彼と結ばれて、、、。「好きだ」と何度も言われた。ずっと、ず〜〜っと言われてたの。
あんまり遅くなれないからって言う事で、彼をバス停まで送ってバイバイした。
夏の雨、降っていたなぁ。傘ささずに二人で歩いて、帰り道は一人ぼっち。
だけど、すごく幸せな一時だった・・・・。
愛する人に身も心も委ねちゃったって言う、その喜びが、彼への想いをさらに大きくしていったの。

だけど、そこから状況が一変したのは言うまでもない。
彼への連絡もなかなか取れなくなって、いつ会えるのか聞いても「部活が忙しい」「テストが」
たくさんの言い訳を聞くようになった。
だけど、自分の中ではあの時に言われた言葉を信じて疑わなかった。ううん、疑いたくなかったの。
彼は私のことが好きで、私も彼の事が好きで・・・。そんな関係だと思っていた。
ある日、友人がとても辛そうな顔をして私にこう言った。
「あゆみ・・・、ゴメンね。ずっと言おうと思っていたんだけど、あゆみの幸せそうな顔見てたらなかなか切り出せなかった」
何を言ってるのか、サッパリ理解できなかった。
「どうしたの?何かあったの?」私は次の瞬間、全てが崩れ落ちてしまった。
「あのね、B組の美紀いるでしょ?あの子とサトシずっと前から付き合ってたんだよ」
(何を言ってるの?)
何を言っているのか理解するのに、数秒の時間がかかった。
「・・・、それっていつからのことなの?」あたしは、コレを聞くのが精一杯だった。
友達は、本当に辛そうに「7月くらいかな・・・」
7月って事は・・・、あたしと会うずっと前の話じゃない!!!

その美紀と言う子は、とっても美人な子。私のような子供みたいじゃないの。バスケ部のマネージャーしている子。
最近仲良くなりはじめたばっかりなのに。
頭が混乱していた。自分が知らないだけで、みんなは知っていたんだ・・・。
何をして良いのか解らなかった。
だけど、、、気がつけば美紀を呼んでいた。
「どうしたの?」クラスから出てきた美紀、相変わらず笑顔が素敵な彼女。
「・・・・、ゴメンね」
突然謝られたから、美紀も驚いていた。当たり前だよね。何かされた覚えもないのに謝られるんだもの
美紀に全てを話した。話さなければバレないことなのかもしれないけど。
言いたかった。とにかく、美紀に全てを言って自分は身を引く事を伝えたかった。
美紀はじっと聞いてくれていた。話が終わった後美紀は「あの人・・・、そう言う人だから」
とっても切ない表情を見せていた。そして「あゆみは何も悪くないんだよ。だって、何も知らないんだもの」
そう言って、笑ってくれた。。。

私は彼にも伝えた。そして、サヨナラした。
まさか、全て伝えられるとは思っていなかったようで、本当にオロオロしていた。
私は最後に「あんたみたいな男、こっちから願い下げっ!!!」と言って、引っ叩いて帰ってきた。
本当は泣きたかった。だけど、今は絶対泣きたくなかった。
強い自分を見せたかった。
男は・・・・、もう当分結構です!!!

その後すぐ、美紀とさとしも別れた。
大切な人を悲しませる男は許せません!!!

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