6月○日

今日は記念日にふさわしい最高の休日！！！今の彼と付き合って、今日で半年。
大人の女になりたくて、少し年上の彼氏と付き合った。
歳は7歳違い。この歳になれば、あんまり年齢関係ないのかもしれないけど・・・。

今日は記念日なんだけど、彼氏と付き合う前に友達と決めた旅行計画実行日。
先週電話での会話では・・・。
「記念日に旅行か～、寂しいじゃん！俺を置いて行くんだ（笑)だけど友達との約束だから仕方ないかっ！一人寂しくお祝いしてるよ」
（ふふふ♪なんだか可愛いな）
なんてバカな事思っていたけれども、昨日になってトラブルがあり旅行は延期！不幸中の幸い？
彼氏には内緒で突然家に押しかけちゃおう！って思ってルンルン気分で身支度。
少し大人びたスーツ。なんて着てみて・・・。
普段はジーパンにTシャツなんて、当たり前の私だけど・・・。
彼と出会って、彼に恋をして・・・。
少しでも彼との歩幅を合わせたくて、大人の女になりたくて一生懸命だった。
化粧だって、服装だって、仕草だって、全部全部変わるように努力した。
彼に似合う女になりたくて。。。

「彼、ビックリするかな」
彼を驚かせたくて、朝から飛びっきりのオシャレして彼の住んでいるマンションへ向かったの。
（この前寂しがってたから、きっと喜んでくれるだろうな♪）
とにかく足が軽い。幸せだったから。何も不満もない完璧な彼氏。いつも私の事を包んでくれる彼氏・・・。

（そう言えば昨日飲みに行くとか言ってたなぁ。まだ寝てるかな？）
一応鍵がかかっているか、ﾄﾞｱノブをガチャガチャ。
（やっぱり閉まってる）
合鍵登場で、寝ているからドアをゆっくり開けたの。
１足の靴を踏んだ。「ん？」見ると女性の靴。ヒールが細くて高くて・・・。
私へのプレゼントにしては履かれた形跡のあるハイヒール。
乱暴に脱がれたハイヒールを見た瞬間、胸騒ぎがした。
何かを考える余裕なんてないよ。冷静になんてなれないよ。
足がかってに向かってるんだよね。彼氏がいる部屋へ・・・。

ベッドに知らない女性と私の恋人が気持ちよさそうに寝てるじゃない。
何が何だかわからなかった。記憶が・・・そこから曖昧。
あーゆー時って不思議なんだよ。
意外と冷静に恋人を起こすの。「おはよう」って。
彼氏はビックリしてた様子で・・・。「え？なんで･・・・」
隣にいた女性は何が何か解ってないみたい。
彼は「これは・・・違うんだって・・、あの～飲んでて泥酔して・・・」
弁解の言葉を必死に並べようとしてた。
だけど、突然だから上手な言葉が浮かんでこないんだよ。
いつもは冷静沈着な人なのに、アタフタしてるの。
私のほうが、ずっと大人に見えたよ。
「何も覚えてないんだ・・・。本当に酔っ払ってて」
（もう言い訳なんてどうでも良いんだよ。）

大人に思えた自分・・・。
だけど、やっぱり大人な女で終わる事が出来なかった。
テーブルにあるグラスをひっくり返して、クッション二人に投げつけて・・・。
大切にしてるものを壊した。「やめろよ！」そんな事言っても、聞く耳持ちません。
だって、自分でもどこにブツケテ良いのか解らないんだもん。この怒りと悲しみ。
（私の大切な気持ちを壊されるよりもマシでしょっ！！！）
一瞬私の動きが止まったから安心した彼。
でも、私は終わらなかった・・・ううん、終われなかったの。
こんなに私を一瞬にして苦しめた男が、どうしても許せなかった。
そんなに力ないけど・・・、思いっきり拳を彼にぶつけ続けた。
そして、泣き叫ぶしかなかったの。
女の人も事が把握できていないようで、ただ呆然と見ていただけだったと思う。

「あんたみたいな男とは付き合ってられない！死んでしまえ～！！！」
って泣き叫び・・・したと思う。。。
台所にあったナイフ、持ち出したと思う・・・。
結局何も出来ないまま、崩れ落ちただけだった・・・。

自分の中で混乱している時って、記憶があんまりないものなのね。。
私は、気づいた時は友達の家で泣き続けていた。
せっかくの化粧もボロボロ・・・。
だけど、友達は私が泣き止むまでジッと待ってくれていた。
友達に事を話したら、その子の服を貸してくれて
「ほら、化粧もし直して、遊びに行って来ようよっ！！！今日は天気も良いし♪」
（ゴメンね。。。ありがとう）
口に出すと、また涙が溢れそうになったから、うなずくだけだった。

数日後、彼から電話があったけど、出る気になれなかった。
好きだったんだよ。その時も・・・。
だけど、それ以上に自分が好きだから・・・。
電話には出ずに、メールで返事を
「新しい男みつけたから、バイバイ」
本当は、見つけてなんていない・・・。
彼からは「本当にゴメン、騙すつもりじゃなかった。反省してる。俺みたいな男に引っかかるなよ」
「あんたみたいな人には、ひっかからないわよん♪」
これが、最後のやり取り。
精一杯の強がりしたかったの。最後まで大人の女していたかったから。
だけど、結局大人の女にはなれなかった・・・。
子供の自分、等身大の自分を見てくれる人を探そうかな・・・。
もうすぐ夏なのにな・・・。

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